結論からいうと、データローミングを切るのは必要ですが十分ではありません。データ・音声・SMSの3つは別々に課金され、データローミングが制御するのは1つ目だけです。渡航前に下の設定を変え、データの経路を意識的に選び、到着後に請求を確認してください。ローミング請求は数週間遅れて届くことがあります。
渡航前に変えること
順番に進めます。最初の2つは1分で終わり、ほぼすべての想定外の請求を防げます。
1. 自国回線に何を許すか決める。 最低限はデータローミングのオフです。設定 → モバイル通信 → 通信のオプション → データローミング。海外で自国番号の着信が不要なら、回線そのものをオフにする(設定 → モバイル通信 → 該当の回線)のが、音声とSMSの課金を確実に防ぐ唯一の設定です。
2. データの経路を用意する。 出発前に開通させた旅行eSIMか、到着後に買う現地SIMです。空港のWi-Fiで地図とメッセージを済ませる前提にしないでください。海外初日がうまくいかない最も一般的な原因です。
3. 通信会社が対応していればWi-Fi通話をオンにする。 これをオンにすると、自国への通話が海外網ではなくWi-Fiや自分のデータ回線を通ります。出発前に有効化する必要があります。ローミング中は通常開通できないためです。
4. 端末がSIMロックされていないか確認する。 ロックされた端末は他社のeSIMやSIMを受け付けません。設定 → 一般 → 情報 の通信会社ロックを確認します。「SIM制限なし」以外が表示されるなら、旅行eSIMは動かないので先にロックを解除してください。
データ・音声・SMSは別々に課金される
ここが多くの人が引っかかる部分で、二度読む価値があります。
| 海外での行動 | 「データローミングオフ」で課金は止まるか |
|---|---|
| モバイルデータを使う | 止まる |
| 発信する | 止まらない |
| 着信を受ける | 止まらない — 多くの通信会社で着信も課金 |
| SMSを送る | 止まらない |
| SMSを受け取る | 通常は止まるが、課金する会社もある |
| 留守番電話の録音 | 止まらない(一部の会社) |
つまりデータローミングを切ってポケットにある端末でも、請求は積み上がり得ます。これを確実に防ぐ設定は回線をオフにすることだけで、データだけを切ることではありません。
この区別が正しい構成も決めます。自国番号で認証コードと着信を受け続けたいなら回線はオンにし、通話に費用がかかることを受け入れます。リスクをゼロにしたいなら回線をオフにし、eSIMのデータとVoIPアプリで用を足します。
旅行eSIMか現地SIMか
| 旅行eSIM | 現地の物理SIM | |
|---|---|---|
| 出発前に開通 | できる | できない |
| 自国番号を有効に保つ | 保てる | 保てない(トレイを占有) |
| 店に寄る必要 | ない | 通常ある |
| GB単価 | 高い | 安い |
| 通話用の現地番号 | 通常なし(データ専用) | あり |
実用的なルールはこうです。短期で番号を残したい → eSIM。長めの滞在で現地番号が欲しい → 現地SIM。 旅行eSIMの多くはデータ専用で、地図・メッセージ・メールには十分ですがSMSを受け取れません。認証コードを送るものは自国回線に行く必要があり、これもデータローミングを切ったまま回線を残す理由になります。
トレイの話も覚えておいてください。物理SIMスロットのある機種では、現地SIMを挿すと自国SIMを外すことになり、自国番号も失います。eSIMはそれを完全に避けられます。
「ローミングは切った」が実は切れていない3つの形
設定が思っている状態と違う、よくある3つの形です。
- 機内モードが一度オフになった。 1回の通話のために機内モードを切り、あるいは到着時にWi-Fiにつなぐと、回線が再登録されます。ごく短い登録でも着信は届きます。
- 請求が古い。 ローミング項目は旅行から数週間後に請求書へ現れます。設定が失敗したと決めつける前に、請求書の日付ではなく明細の発生日を読んでください。
- データローミングしか切っていない。 上の表のとおり、音声とSMSは通常どおり課金されます。
請求に覚えがないなら、通信会社に時刻付きの明細を求めてください。「ローミング請求」だけでは答えようがなく、時刻と種別があれば通常は説明できます。
到着時と帰国時
到着時に、どの回線がデータを担っているかを確認します(設定 → モバイル通信 → モバイルデータ通信)。期待どおりのネットワークが表示されるかも見ます。eSIMが圏外なら、eSIMのアクティベーション失敗とSIMなし・SOSのみを参照してください。
帰国のフライト前に、旅行eSIMを使ったなら次回のために残すか削除するかを決めます。休眠中のeSIMは費用がかかりませんが、プライマリに設定されているとデータ回線を静かに奪うことがあります。
帰国後はデータローミングをオフに戻し(国内ではオンでも費用はかかりませんが忘れやすい)、自国回線がデータ回線に戻ったことを確認し、次の請求書で旅行期間の日付の項目を読みます。最終請求が届くまで旅行eSIMは削除しないでください。請求に異議を出すとき通信会社が求める参照番号がICCIDです。