毎年夏、新しい iOS の開発者ベータ版が公開されると、「入れるべきか」で議論が起きます。まず結論から。ベータ版は未完成品で、発熱、電力消費、App の強制終了は正常な性質であり、バグではありません。予備機と開発者には向きますが、メインで使う 1 台を初日に導入するのは避けてください。
ベータ版とは何か、なぜこうした代償があるのか
開発者ベータ版とパブリックベータ版は、同じ流れ作業の 2 つの段階です。開発者ベータ版は最初の一波で、App 開発者が新しいシステムに対応するために使います。パブリックベータ版は少し遅れて公開され、開発者ベータ版から致命的な問題を除いたもので、試すことを厭わない一般ユーザー向けです。
ただしどちらも作り終えていないシステムです。
- 発熱、電力消費——新しいシステムの消費電力の最適化は、通常は正式版前のいくつかのベータでようやく仕上がります。最初の数版が熱くて電池も減るのは日常で、「システム更新後になぜ熱くて電池も減るのか」で説明したバックグラウンドの再構築と重なります
- App の強制終了、フリーズ——App が新しいシステムの API に対応しておらず、古いバージョンの新しいシステム上での挙動は予測できません
- 銀行・決済系の App がそのまま使えなくなる——金融系の App は安全上の理由から、ベータ版のシステムを検出すると動作を拒否したりログインを制限したりします。これは Apple の責任ではなく、ベータ期間中ずっと戻らないこともあります
- さまざまな小さな不具合——通知の遅れ、Wi-Fi の切断、カメラの画面が真っ暗になるなど、各ベータ版にはそれぞれの「個性」があります
一覧表:導入が向いているかどうか
| あなたの状況 | おすすめ |
|---|---|
| メイン機で、支払い・仕事・連絡を任せている | 入れない。秋の正式版を待つ |
| スマホが 1 台しかない | 入れない。問題が起きたときに戻る道がありません |
| 予備機があり、試行錯誤を厭わない | パブリックベータ版を入れて試す程度でよい |
| App 開発者、コンテンツ制作者 | 入れるべき。それが仕事です |
| 「新機能を先取りしたい」 | 我慢する。新機能は正式版でも使え、しかも省電力です |
導入前に必ず行う 3 つのこと
- パソコンで暗号化バックアップを取る——
Finder(または Mac/PC の該当ツール)で iPhone を接続し、バックアップ時に「ローカルバックアップを暗号化」にチェックします。ベータ版の時期は、iCloud のバックアップよりパソコンのバックアップの方が復元の互換性が信頼できます - 戻せる期間を確保する——正式版へのダウングレードは、Apple がそのバージョンをまだ「検証」しているかに左右されます。検証が止まれば戻りたくても戻れません。戻すつもりなら早めに
- 欠かせない App がある端末は入れない——とくに銀行、勤怠打刻、車のキー
ダウングレードの実際の代償
後悔薬は苦いものです。ダウングレードは通常、本体全体を消去してからパソコンのバックアップでデータを復元する必要があり、全体で数時間はかかります。復元後に App のデータ、メッセージ、ヘルスケアの記録がどこまで戻るかは、バックアップ時に何を選んだかによります。ベータ期間中に iCloud で同期した新しいデータ(ベータ版で追加した写真など)は、古いシステムに持ち戻せないこともあります。だからこそ最初の原則は常にこれです。メイン機を初日に導入しない。できれば入れない。
現実的な代替案
どうしても我慢できないなら、パブリックベータ版の中盤から後半(正式版に近いいくつかの版)はリスクも消費電力も完成品に近く、試すコストはずっと低くなります。ただし新しい iPhone が届いたときや新しいシステムが正式版になった直後も、同じように数日の適応期を経ます。「新しい iPhone の最初の数日が熱いとき」をご覧ください。